作品を買っていただくのは不思議で幸せな体験だ。
壁にかけられているのを見ると
もう私の絵ではなく、持ち主の物だとわかる。
どこかよそよそしく堂々としている。
私が一人で向き合っていた作品が、
今は複数の方の、何かの役目を果たしていているようだ。
その為に描かされたのかもしれない。
制作途中苦しかったのはこの為だったのだと思う。
4年前から飾ってくださっているイタリアンレストランの「サンタキアラ」さん。
来月から新店舗になる。出会った時に話してくださった計画通り。
移転に際し、メンテナンスさせていただいた。
作品からお店の日々が伝わってくるようで、とても幸せな作業だった。
そして、この絵が転機だったと奥様が話してくれた。
まだまだ未熟で作品はいつも不完全だが、奥様のお言葉はとても嬉しかった。
研ぎ澄まされたお料理は全て美味しくて、本当に私は幸せ者だとじんわりと噛みしめた。
夫の誕生日が近い日だった。
夫のおかげでこのような仕事が出来ている。いつも本当にありがとう。
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